ポルトガルの歴史

今回、イギリスからポルトガルに旅をしてとても
感じたのがヨーロッパの人種間の複雑な歴史の変遷です。
ポルトガルも日本では南蛮貿易の貿易大国として織田信長の
時代からその存在感を増していくのですが、ポルトガルの歴史は
そう簡単なものではなかったことに気がつかされました。
このイベリア半島の西の果てには有史以前から人々が既に生活を
していた遺跡が数多く残っているのですが、紀元前1000年頃になると
古くはパレスチナ地方に都市国家を形成し隊商と海上貿易で繁栄し、
地中海全域にわたって植民地化を図ったフェニキア人が侵入し、
青銅器を伝え、追ってケルト人も鉄器の伝来と共にイベリア半島に
して混血が進みます。
紀元前2世紀頃になると古代ローマがイベリア半島全土を支配して
都市が建設されて各地に幹線道路が整備されます。
現在も使われている道路や橋も使われているものもあり、この頃に
キリスト教も伝えられました。
ローマ帝国が衰退するとゲルマン民族が侵入をはじめ5世紀ごろになると
ゲルマン族のスエヴィ族が王国を建設、その後西ゴート族がスエヴィ族を
破ってイベリア半島を征服し西ゴート王国を建国します。
この西ゴート族が各地にカトリック教会を建設しイベリア半島に
キリスト教が根付くことになりました。
その後、西ゴート王国も内紛が続き、半島制服は長くは続かず、
北アフリカからジブラルタル海峡を渡ってやってきたイスラム・アラブ
勢力のムーア人がイベリア半島を征服します。
その後6世紀にわたって支配しますがキリスト教を弾圧せず寛容に扱い
政治的に安定した中でイスラム文化が多くの影響を与えます。
イスラム勢力の支配と共に先住民のキリスト教徒を中心に反撃をスタート
したのが国土回復運動(レコンキスタ)と呼ばれるもので、
あの有名なテンプル騎士団などが参加して1143年にようやくレコンキスタ
をすすめたアフォンソ・エンリケス(アフォンソ1世)がポルトガル王国を
建国するのです。
アフォンソ1世は錦の御旗を立てる為にまず最初にローマ教皇に
王国を認めさせさらにレコンキスタを進め1249年にアフォンソ3世が
ポルトガル全土のレコンキスタを終了させます。
そして1297年にスペインとの国境を決める条約が結ばれました。
そして世継を残さなかったフェルナンド1世の死後、王位継承をめぐって
様々な対立がおこり、1385年にジョアン1世がアヴィス朝を開きます。
そしてこのジョアン1世の第5子こそが、我々のよく知るポルトガルの
大航海時代を築き上げたエンリケ航海王子なのです。
エンリケ王子はその財力をバックに海外進出を積極的に進め、1438年に
エンリケ航海学校を設立しました。
海外進出をしようとして最初に学校を作ったというのが興味深いですね。
それから60年後位にようやく成果が花開くからこれもまた面白いですね・・・
その後1498年にはヴァスコ・ダ・ガマのインド航路発見、1500年には
カブラルのブラジル発見、1519年にはマゼランの世界1周と続き、
1543年には日本の種子島に到着しています。
大航海時代を支えたのがこのエンリケ航海大学だったんですね。
しかも結果が出るまでに四半世紀かかっている。
交易する世界中の都市から様々な富と文化を取り入れ、1495年に即位した
マヌエル1世の時代にはポルトガルが最も繁栄し、その権力と財力で
各地にマヌエル様式と呼ばれるモニュメントを残します。
その後16世紀にはいり勢力が弱まり約60年ほどスペインに支配されますが
1640年にスペインから独立し現在のポルトガルの基礎が作られます。
しかしその後も1807年から3度ナポレオンが侵入し王家は一時ブラジルに
逃げ、その後はイギリス軍がポルトガルに侵攻し占領を続けます。
1820年に自由主義革命が勃発し臨時政府が樹立されますが、その後内乱
状態が続き、20世紀に入るとファシズムに傾倒したサザール首相が誕生しますが
1974年に青年将校団によるクーデターが起こり、独裁政権は終焉を迎え
1976年にようやくポルトガルは民主制となり1986年にEUに加盟し
現在の社会基盤となっているのです。
私たちが知る南蛮文化はすでにポルトガルの絶頂期を過ぎている時代だったんですね。
当時、日本から派遣されてきた少年使節団の足跡もここポルトガルには沢山
残っています。
リスボンの観光ガイドのポルトガル人の女性に聞いたのですが、
日本語の「ありがとう」という言葉もポルトガルの「オブリガード(ありがとう)」
からきているらしいですが、そんなことを聞くとますますこの大航海時代への
興味が湧いてきました。
確かに・・・発音が似ているわ・・・・
街の人たちと話をする時にこのことを聞いても結構ポルトガルの皆さんは
日本語の元祖にポルトガル語が多いことをよくご存じですね。
ここまでざっとポルトガルの歴史を書きましたが、まさに栄枯盛衰・・・
企業の存続にも大いに参考になる歴史がこの国にはたくさんあるような
気がします。
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